農業研究本部

ホウレンソウの土壌病害とその発生に関するbr土壌肥料学的考察
寒冷地における短期太陽熱土壌消毒法について

赤司 和隆、前田 要

北海道立農試集報.59,9-19 (1989)

 夏どり、初秋どりホウレンソウに多発生する土壌病害の発生軽減を図るため、寒地の雨よけハウスにおける短期間(約2遇間)の太陽熱土壌消毒法について検討した。  モデル実験並びに現地試験(札幌市 有明地区)の結果、ホウレンソウの主要病原糸状菌の死滅に有効な地温とその積算時間は40℃以上50時間前後と推定された。  また、この地温(地中深10cm)を確保するためには、処理期間内に25℃(外気温)を超え、かつ晴れの日が7日前後必要であった。昇温効果の高かったマルチ+トンネルによる三重被覆処理(ハウスの被覆ビニールを加算)では土壌病害の発生は著しく低下した。  すなわち、マルチ処理の発病株率は無処理区の約1/2であったのに対し、マルチ+トンネル処理では約1/4にまで低下した。さらに、地温上昇および営農の面からみて、高温期にあたる7月中旬から8月中旬の間に約2週間のマルチ+トンネルによる短期処理を行うのが有利であると判断された。


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