農業研究本部

水稲新品種「はやまさり」の育成について

沼尾 吉則、佐々木 多喜雄、佐々木 一男、柳川 忠男、相川 宗巌、和田 定、 本間 昭、新橋 登

北海道立農試集報.60,19-30 (1990)

 「はやまさり」は、l977年に北海道立上川農業試験場で交配した「永系75l69/永系76 251」の雑種後代から育成され、直播栽培用品種として1988年2月北海道の優良品種に採 用された。  特性の概要は次のとおりである。出穂期は極早生で、成熟期は早生の早である。短稈 の穂数型で梓先色は黄白、無芒である。  障害型耐冷性はやや強~強、いもち病耐病性はやや強で真性抵抗性遺伝子Pi-a、i、k をもつと推定される。耐倒伏性はやや強、  玄米収量は「キタアケ」並かやや劣る。玄米品質は「キタアケ」を上回る。食味は「 キタアケ」並である。直播栽培の苗立性は「キタアケ」より優れている。  以上の特性から、本品種を上川、空知支庁管内およびこれに準ずる地帯の直播栽培用 品種として「キタアケ」に替えて推奨できる。


全文(PDF)