農業研究本部

根釧地方の火山性土における草地のカリ肥沃度に基づくカリ施肥対応

三枝 俊哉、菊地 晃二、近藤 煕

北海道立農試集報.60,99-109 (1990)

 根釧地方の火山性土に立地した草地のカリ肥沃度に対応したカリ施肥量を決定するために、当地方に分布する3種類の主要火山性土を対象に、交換性カリ含量と牧草収量との関係について検討した。  その結果、いずれの火山性土においても、0~5cm土層中に存在する交換性カリの量によって、カリ肥沃度を評価することができた。チモシー・アカクローバ・シロクローバ混播採草地において、十分な収量を得るために必要なカリ吸収量は年間25kg/10a前後であった。  また、この吸収量を確保するためには、0~5cm土層中に年間30kg/10a前後のカリが供給される必要があった。さらに、当供給量が確保されることによって、マメ科牧草の混生割合も良好に維持された。  したがって、カリ肥沃度に対応したカリ施肥量は、早春0~5cm土層中に存在する交換性カリの量と年間カリ施肥量との合計が30kg/10aとなるように算定する必要がある。


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