農業研究本部

根釧地方の火山性土における草地のリン酸肥沃度に基づくリン酸施肥対応

三枝 俊哉、松原 一實、能代 昌雄

北海道立農試集報.60,111-124 (1990)

 根釧地方の火山性土に立地した草地におけるリン酸の土壌診断基準値は、火山性土の種類に応じて設定する必要性が認められた。  その理由は、ブレイNo2法ではりン酸吸収係数が大きく異なる火山性土のリン酸肥沃度を一律に評価できないこと、および、各火山性土のリン酸含量とチモシーの乾物収量ならびにリン酸含有率との関係に差が認められたことである。  そこで、根釧地方の主要火山性土を対象に、リン酸の土壌診断基準値および土壌診断に基づくン酸施肥対応を次のように設定した。  すなわち、土壌診断基準値はブレイNo2法によるP2O5として未熟火山性土で30~60mg/100g、黒色火山性土で20~50mg/100g、厚層黒色火山性土で10~30mg/100gとした。  そして、土壌診断に基づくリン酸施肥対応は、診断値が基準値内の場合、施肥標準量である8~10kg/10a、基準値よりも低い場合は12~16kg/10a、また、基準値よりも高い場合には4~5kg/10aが適当であった。


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