高水分小麦の一時貯留について
高橋 圭二、山島 由光、原 令幸、中津 智史、佐々木 宏
北海道立農試集報.61,21-29 (1990)
乾燥調整施設に持ち込まれる高水分小麦の一時貯留法を確立させるため、水分別に貯留した小麦の品温変化、貯留後の異臭発生状況および品質変化を検討するとともに、トラックに積載された小麦に常温通風を行い、発熱を防止することによる品質維持効果を明らかにした。 水分35%の小麦を24時間貯留した場合、穀温は約l6℃上昇し48.4℃となった。臭気は貯留3時間後から認められ、9時間以降は強かった。 貯留時間によるαアミラーゼ活性の差は認められなかったが、製粉後のカラーバリューは開始時0.21が12時間以降で高くなり、24時間後には1.66となった。 小麦粉の加水直後の臭気は貯留12時間以降のものでは強かった。 トラック積載小麦の通風処理は、風量比0.33m3/s・ton送風により、45分後に通風空気の湿球温度まで小麦温度を下げることができた。 水分35%程度の高水分小麦でも刈り取り後、直ちに1時間送風、3~5時間送風停止の断続通風を繰り返すことにより、少なくとも12時間は品質維持が可能であることが明らかになった。
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