農業研究本部

フリーストール牛舎における乳牛の飼料利用性の把握について

西村 和行、花田 正明、高橋 圭二

北海道立農試集報.62,47-54 (1991)

 フリーストール牛舎における飼料利用性について、ホルスタイン種搾乳牛5頭を用い検討した。  ストール(ラインホルムシステム)牛舎およびフリーストール牛舎における採食量は乳牛個体識別装置を装着した飼槽を用いて測定した。濃厚飼料は市販のペレット状配合飼料を乳量に応じて給与し、また粗飼料はチモシー主体の1番刈り低水分サイレージ(DM34.5%、TDN63.2%およびDCP5.6%)を飽食させた。  牛舎間の行動形の違いによる飼料利用性の差異を検討するため、乳牛の行動を48時間連続してビデオに収録した。  採食時間はストール牛舎で長く、結果として採食速度が有意に低くなった。フリーストール牛舎では社会的優劣関係が採食行動パターンへ影響していると推察された。  重回帰分析の結果、横臥時間を取り込むことでフリーストール牛舎においてもエネルギー粗効率(GEE)推定の可能性が示唆された。


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