農業研究本部

ダイズ新品種「ツルムスメ」の育成について

中村 茂樹、番場 宏治、松川 勲、谷村 吉光、足立 大山、鈴木 和織

北海道立農試集報.63,71-82 (1991)

 「ツルムスメ」は、北海道立中央農業試験場において、道央地域に適する白目・極大粒良質及びダイズわい化病抵抗性品種の育成を目標に育成された新品種である。  ダイズわい化病抵抗性が強の育成系統「中系67号(ツルコガネ)」を母本、極大粒・良質の育成系統「中育12号」を花粉親として、1979年に人工交配し、以降選抜、固定を図ってきたものである。1990年6月に農林水産省の新品種に認定され「ツルムスメ」(「だいず農林94号」)として命名、登録され、北海道の奨励品種となった。  「ツルムスメ」の子実は、極大粒に属し、種皮は黄白、臍色は黄で、外観品質が良い。成熟期は中生に属し、ダイズわい化病抵抗性がやや強であり、強茎で倒伏が少なく、多収である。子実中の蛋白および脂肪含有率は中程度であるが、煮豆及び豆腐の加工適性は良い。  適地は道央地域の中・南部、羊蹄山麓及び道南地域であり、栽培見込面積は2,000haである。


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