農業研究本部

シュンギクの心枯れ症とその軽滅対策

小野寺 政行、西川 政信、高栗 仁子、鎌田 賢一

北海道立農試集報.67,43-54 (1994)

 シュンギクの心枯れ症発生要因を調査した結果、生育後期にハウス内が高温になり、さらに灌水抑制による土壌の乾燥化も加わって、石灰の吸収および心葉部への移行が阻害される現象を認めた。そのため、心葉部に於ける石灰含有率とりん酸含有率とのバランスが崩れ、石灰欠乏が誘発され、心枯れ症状が引き起こきれると推定された。軽滅対策としては、土壌のりん酸肥沃度を100mg/100g以下に保つこと、ハウス内の温度菅理に注意し、生育後期の土壌水分をpF2.7以下に保つこと、すなわち夏期高温期には収穫直前まで潅水すること、また土壌pFを急激に上昇下降させないことが必要である。更に、葉に直接水を掛けない潅水法(本試験では点滴灌水)を用いることは、心枯れ症発生の軽減およぴ鮮度保持の両面から有効な対策となる。


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