農業研究本部

とうもろこし新品種「ヘイゲンミノリ」の育成について

門馬 栄秀、長谷川 寿保、高宮 泰宏、千藤 茂行、戸澤 英男、仲野 博之、三好 智明

北海道立農試集報.69,41-53 (1995)

 とうもろこし(サイレージ用)品種「ヘイゲンミノリ」は、早生の晩の熟期で、耐倒伏性、多収な品種の育成を目標として、北海道立十勝農業試験場においてl979年に「66C5-4×Tol5」を母とし、「CM91×CM174」を父として育成されたフリント種×デント種の複交配一代雑種である。1980年より生産力検定試験を開始し、1985年には「十交S36」、1986年からは「道交S10号」の系統名で各種試験を重ね、1989年に農林水産省の新品種に認定され、「ヘイゲンミノリ」(「とうもろこし農林交30号」)として命名、登録され、北海道の奨励品種に決定された。本品種は、対照品種の「カルデラ535」と同熟期の早生の晩に属する。「カルデラ535」と比較して、耐倒伏性に優れ、発芽・初期生育は明らかに勝り、栄養収量は高い。栽培適地は十勝中部、網走内陸および道央北部である。


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