農業研究本部

タマネギ新品種「北見交17号」の育成について

田中 静幸、中野 雅章、入谷 正樹、宮浦 邦晃、志賀 義彦、品田 裕二、越智 弘明、山木 貞一、森 尚久、長谷川 久記、佐藤 政雄、後藤 正宣、高井 義之

北海道立農試集報.70,49-59 (1996)

 タマネギ「北見交17号」は北海道立北見農業試験場とホクレン農業協同組合連合会との共同研究から育成された単交配一代雑種である。種子親は「AOPFA」で、花粉親は「KMS7320-12M」である。1994年に北海道の奨励品種に認定された。倒伏期は「北もみじ86」よりやや早い。平均一球重は「北もみじ86」並で、規格内率は「北もみじ86」より高く、「北もみじ」並に優れるため、規格内収量は「北もみじ86」よりやや高い。貯蔵性は「北もみじ」よりやや高く、良好てある。乾腐病低抗性は中程度で「レオ」並てある。球の肉質は「北もみじ」より軟らかく、「月輪」より硬い。固形分含量と全糖含量は「北もみじ」並で、「月輪」より高い。辛味は「北もみじ」より弱く、「月輪」より強い。加熱調理後の食味は「北もみじ」および「月輪」より優れる。貯蔵性を備えた良食味品種であることから、業務用途および青果用途に適する。


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