農業研究本部

原料米の品質と冷凍米飯の加工適性

大村 邦男

北海道立農試集報.76,27-34 (1999)

 原料米の精米白度と冷凍米飯の製品白度に関連性はみられなかった。タンパク含量が高い米は,浸漬時の吸水速度および吸水率が低い。また,加熱時の容積増加割合は大きいが,吸水率,製品歩留まりは低い。アミロース含量が高い米は,浸漬時の吸水率が低く,製品歩留まりは低い。炊飯米の粒離れは,タンパク含量が8%以下で劣り,アミロース含量20%以下でも同様の傾向がみられた。粒離れを基準にした米粒のテクスチャーの適正値は,テンシプレッサーの測定で,硬さは約8kgw以上,粘性は約0.6kgw以下と推定された。また,米粒の付着性にはタンパク含量の多少が強く関与しているものとみられた。冷凍米飯の保存期間中における水分,テクスチャーの変化は判然としなかった。しかし,冷凍と解凍を繰り返す試験では,タンパク含量の高い米で氷結晶水の発生が少ない傾向を示した。


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