農業研究本部

冷凍米飯の官能評価と北海道産米の加工適性

大村 邦男

北海道立農試集報.76,35-41 (1999)

 小規模製造試験で試作した冷凍ピラフの官能試験を行い,米の内部成分およびテクスチャーとの関連性を検討した。官能評価をもとにした内部成分の適正値は,タンパク含量7~9%,アミロース含量18~23%であった。また,官能試験で対照試料(ゆきひかり)と同程度の評価が得られた時のテクスチャーは,テンシプレッサーによる測定で,硬さが7~8kgw,粘性は0.5~0.7kgwを示した。この値は,粒離れをもとにした適正値(硬さ約8kgw以上,粘性約0.6kgw以下)よりも低い範囲を含んでおり,適度な硬さと粘りのある米が好まれることを表した。粒離れや製品歩留まりなどの加工適性および官能評価には,各品種に特徴が認められた。冷凍米飯の加工適性と官能試験を総合的にみた評価は,「ゆきひかり」「きらら397」「あきほ」「ほのか224」で高く,「きたいぶき」「ゆきまる」ではやや劣った。


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