農業研究本部

生育及び貯蔵中におけるごぼうの糖質含量の変化

長尾 明宣、谷口 健雄

北海道立農試集報.77,1-7 (1999)

 ごぼうの葉重は下葉の枯れ上がる9月上旬から減少に転じた。一方,根重は11月上旬まで増加し,その後増加は緩慢となった。根部の糖質含量は9月下旬に最大になり,その後減少に転じた。この減少は根部への同化産物の転流が低下した後も根部の肥大が続き,相対的に糖質含量が低くなったと考えられた。貯蔵温度(1,3,6。C)が高く日数が長いほど,段ボール区(段ボール箱)の重量減少率は高く,発根及び萌芽の伸長はPE区(ポリエチレンフィルム袋の折り込み包装)及び段ボール区において顕著であった。一方・リンゴ+PE区(PE区の包装内にリンゴを封入)は発根及び萌芽の伸長力が抑えられ,1。Cと3。Cで収穫時に近い鮮度が保持された。根部の部位別(首部,中間部,根先部)の糖質含量は根先部が首部に比べて約2倍程度高かった。各部位とも貯蔵温度が低く,日数が長いほどフラクタン含量の低分子化が認められた。以上から,ごぼうの最適貯蔵条件は1~3。Cで,0.03mmの厚さのポリエチレン袋内にリンゴを封入した折り込み包装と考えられた。


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