III ブルーベリー
1 特性
ツツジ科スノキ属に属し、樹高の低い灌木性果樹である。北米原産で、性状の異なるものが数種あるが、そのうち北海道で普及されているのはハイブッシュ・ブルーベリーである(他にローブッシュ・ブルーベリー、ラビットアイ・ブルーベリーなどがある)。
本種は、有機質に富んだ適温な酸性土壌が適するのが特徴である。花は白色鐘形で総状花序となって着生する。果実は成熟すると濃藍色になり、1果重は1~2gである。果実の表面は果粉で覆われている。果肉は白色で粘質、種子は茶褐色で極めて小さい。
結果樹齢は、挿し木後3年前後であるが、成木に達するのは6~7年かかる。耐寒性は比較的強いが、年によって新梢の先枯れを生じることがある。
2 品種
近年は、果実の大きい品種も育成されてきているが、北海道農業試験場と中央農業試験場で有望と認めた品種は表23のとおりである。なお、近年は果実の大きい品種も出始めている。
表23 ハイブッシュ・ブルーベリーの品種と特性
品種名 | 樹高(cm) | 樹幅(cm) | 開花期間(始~終) | 1株収量(kg) | 1果重(g) | 糖度 | 10a当収穫量 | 収穫期間 |
ウェイマウス | 134 | 188 | 5/27~6/14 | 2.0 | 1.7 | 12.5 | 639 | 7下~8下 |
ハーバート | 165 | 171 | 6/5~6/20 | 1.2 | 2.0 | 11.8 | 673 | 8中~9中 |
ジューン | 160 | 155 | 5/20~- | 1.6 | 1.3 | 11.7 | - | 7下~8下 |
ランコーカス | 145 | 143 | 5/28~- | 0.8 | 1.2 | 12.5 | - | 8上~9上 |