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上川農業試験場

場長室過去記事:20250611見学リハ

2025.6.11 見学案内リハーサル 

上川農業試験場では、農業関係者及び地域の皆様向けに視察見学を受け付けています。詳しくはこちらのページをご覧ください。

 

さて、視察見学にご来場いただいく方々を想定して、職員の誰が対応しても説明ができるよう、「見学案内リハーサル」を行いました。

場員総出で参観案内リハーサル
試験圃場を全員で見て歩くのはこの日だけ

 

場員総出で圃場や施設をいっしょに回り、各担当による試験概要の紹介を聞き、説明の要点を確認します。研究員同士であっても、普段それほど互いの専門試験を詳しく理解できているわけではないため、いろんな発見がありました。

試験の紹介は別の機会とさせていただくこととして、「リハーサル」でのできごとをいくつかご紹介します。

 

 

〇水稲では、過去から最近の主な品種を並べた見本圃場を設けています。

「○○(品種名)はないの?」という植え付けが終わってから言われても困る指摘や、「この品種はこんなことがあってね」など当事者しか知らない裏話が出るのも、職員同士のリハーサルならではでしょう。 私は「巴まさり」が見てみたい。 

新旧品種の展示栽培
明治期の「赤毛」から最近の育成品種まで並べています

 

 

〇水田圃場脇にぽつんと立つ「誘蛾灯(ゆうがとう:夜にライトをつけて虫を捕獲する器具)」について、担当から真面目な説明がありました。加えて、前日に珍しい「蛾(ガ)」が捕獲されたとボソッと付け加えがあり、一部スタッフが色めき立ちました。正確に言うと、興奮するごく数名と、それを微笑ましく見守るその他大勢、という状況が発生しました。

色めき立つ数名、後ろの黄色い円筒形が「誘蛾灯」です
ざわつく若干名。後ろの黄色い物体が「誘蛾灯」です。

 

 

〇皆が集まった機会に場内の土を知っておこうと土壌断面調査を試みました。が、早々に石だらけの層が出現し、それ以上の掘り下げは取りやめました。もともと石が多いのはおそらく川が近い影響で、さらにこの場所では過去に代かきを繰り返したことで石の層が形成されたようです。そんな説明の直後、畑から大きな石を運ぶスタッフが脇を通り、そのタイミングの良さに笑みがこぼれました。

地下20cmに石の層が出現
石の層があり、ここまでしか掘れませんでした

 

穴の埋め戻しにも手慣れた姿
埋め戻しのスコップ姿がカッコいい土壌博士

 

 

○畑の一角に、冬でも野菜を栽培できる多重被覆ハウスを設置しています。作目入れ替えのため、この日は何も植わっていませんでしたが、全員いちどはハウスをのぞき込んでいました。植わっていないと聞いても、覗きたくなるのが人情ですね。

野菜のハウス・栽培はこれから
ハウスとマイクが似合う説明者

 

 

○水田や畑から少し離れたところにガラス温室があります。見学でご案内する機会はほとんどありませんので、この機会に少しだけご紹介します。

温室での試験も確認
ガラス温室はいくつかの棟に分かれ、水稲の交配や実験などを行っています

 

○水稲の交配は温室で行います。下は交配用の株を育てている様子です。小型の「プール」は玩具売り場で見かけるグッズで、なるほどこういう使い方は便利だと感心の声があがりました。と同時に、「うちの孫にちょうど良い」と個人的に購買意欲をかき立てられたベテラン職員もいたようです。

交配用のポット栽培
室内栽培用の「小型プール」

 

 

 ○将来を想定した「高温耐性」の実験も行っています。まだ詳しく紹介できる段階にありませんが、担当は熱意を持って取り組んでおりますので、少し長めの心持ちで成果をお待ちいただけましたら幸いです。

高温耐性に関する試験の一部です
温度の高い室内にて、高温耐性の実験中

 

無事に案内リハーサルを終え、今年の見学受け入れ準備は整いました。

 

視察見学のほか、一般の方に農業試験場をご紹介する機会として、毎年8月上旬に「公開デー」を実施しています。正式なご案内はもう少し先ですが、8/6の予定で準備をすすめています(言っちゃった)。

 

 

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