水産研究本部

試験研究は今 No.124「クロソイ海中養殖事業に取り組む-古平漁業協同組合クロソイ海中養殖部会-」(1992年11月6日)

浜のウォッチング~浜の声~ クロソイ海中養殖事業に取り組む-古平漁業協同組合クロソイ海中養殖部会-

松尾部会長
  今回は、古平漁業協同組合クロソイ海中養殖部会が取り組んでいる海中養殖について紹介します。部会長の松尾英二さんにお話を伺いました。
  まず、施設の概要を教えて下さい。
  いけすは、縦・横5メートルのものと7メートルのものがあります。このうち7mのもの5基は、本年度、日本海漁業振興特別対策事業の補助を受けて新設しました。施設は、いま全部で12基ありますが、当初は自前で設置して取り組み始めました。

  いつごろから始めたのですか?

  従来の「獲る漁業」だけでは、沖に魚がいなくなれぱ困るということで平成2年度から着手しました。

  何人でやっているのですか?

  現在、部会員22名でやっています。

  種苗は?

  初年度は、平成2年7月に秋田から1万7,500尾導入しました。2年目の平成3年度は、4万尾を秋田から導入し、養殖をしています。

  今、行っている作業は?

  魚が育ってくると成長に個体差が出てくるので大・小を選別し、別のいけすへ移し替えをしているのです。

  餌は?

  今までは、おもに生餌のオオナゴをやっていました。今年度、新しい作餌機械を導入したので、これからは冷凍魚(ホッケ、スケトウダラなど)を原料にしたモイストペレットを給餌していくことにしています。

  苦労していることは?

  餌代などの経費が結構がかることです。

  今年の生産計画は?

  今年は、冬までに500~600グラムくらいに育てて、3,000尾程度を出荷したいと思っています。

  将来の抱負は?

  この事業を始めて今年でやっと8年目なので、今はまだ試験段階なのですが、将来は養殖企業化をめざし、もっと規模を拡大して、水揚げを伸ばしていきたいと考えています。

  どうもありがとうございました。
(中央水試 企画情報室)
    • クロソイ海中養殖事業

トピックス

平成4年度道立試験研究機関公開講座のお知らせ

  昨年度、「試験研究機関おもしろ祭り」と題して開催された道立試験研究機関公開講座が、今年も次のとおり開催されます。

  「見て・さわって・考えて」得しちゃおう!
’92試験研究機関おもしろ祭り・パート2

  日時:平成4年11月18日(水曜日)午前10時~午後6時30分
  場所:ライラックパセオJR札幌駅1階西コンコース
  主催:北海道立試験排究機関公開講座実行委員会

  今年も、水産試験場、水産孵化場など、13の道立試験研究機関が参加し、日ごろの試験研究の成果をおもしろく、分かりやすく紹介することにしています。

  水試からは、養殖ホタテガイの水槽展示やパネル、水産物加工試作品を出品するほか、水産物の加工試食品を用意して皆さんのお越しをお待ちしておりますので、ぜひお立ち寄りください。

指導連主催「平成4年度北海道周辺海域の魚族資源シンポジウム」のお知らせ

  平成4年11月24日(火曜日)午前10時から、札幌市の第2水産ビル8階会議室で、北海道指導漁業協同組合連合会の主催(後援:北海道水産部)による標記シンポジウムが開催されます。

  このシンポジウムは、昭和63年度から毎年開催されていて、今年は第5回目になります。今回は、「北海道周辺海域における磯焼け現象の現状と対応策について」をテーマにして行われることになりました。主催者である指導連では、このシンポジウムで、漁業者、研究者、漁業関係者が一堂に会し、これまでの研究成果や経験事例について研さんを深め、生産振興の展望を見いだしていく場にしたいと話しています。

  当日のプログラムは、午前中、中央水試から「基本報告」、「牧場化試験結果報告」、及び「給餌試験結果報告」と、北大水産学部から「コンブ給餌システムの省力化試験結果報告」の4つの発表が行われます。午後には、北海道東海大学から「木製魚礁による着生試験結果」と題して、話題提供が行われるほか、日本海側を代表する地区の漁業関係者など7人のパネラーが出席して、パネルディスカッションも行われる予定です。

  皆さんの多数の参加をお待ちしています。(中央水試 企画情報室)