サハリンから女性プランクトン研究者ブラギナさん来場
平成13年7月9日に、サハリン漁業海洋研究所(サフニロ)から女性プランクトン研究者ブラギナさん(Irina Y. Braguina)が中央水試に来場しました。ブラギナさんは研究所では生物海洋部の研究員で、専門は動物プランクトンの分布生態です。
8月9日まで、約1ヶ月間、中央水産試験場海洋環境部に席をおいて研究します。
水産試験場では、平成2年から日ロ研究交流を水産林務部の国際交流事業として展開しています。
北海道周辺の漁業資源管理を的確に行うためには、近接するロシア海域の海洋環境や漁業資源の資料などはとても重要です。
宗谷海峡周辺は好漁場であり、多くの水産生物が宗谷海峡を通じて、日本海北部とオホーツク海を移動回遊しています。
さらには、宗谷海峡は、日本海の海水の流出口で、海の環境変動を捉えるには都合の良い海域なのです。これらのことから、宗谷海峡とその周辺海域の北部日本海(タタール海)とオホーツク海南西部で、サハリン漁業海洋研究所と中央水試海洋環境部はプロジェクトを組んで、お互いにデータや標本を交換、蓄積し、この海域の海洋環境の観測を行っています。
ブラギナさんは、このプロジェクトが始まった当初から、動物プランクトン生態の専門家として、この海域の動物プランクトンの種組成や分布を研究しています。この度の来日では、さらに研究を深めるために中央水試が採集してきた標本を顕微鏡で観察し、サフニロで採集した標本との比較などを行っています。
8月9日まで、約1ヶ月間、中央水産試験場海洋環境部に席をおいて研究します。
水産試験場では、平成2年から日ロ研究交流を水産林務部の国際交流事業として展開しています。
北海道周辺の漁業資源管理を的確に行うためには、近接するロシア海域の海洋環境や漁業資源の資料などはとても重要です。
宗谷海峡周辺は好漁場であり、多くの水産生物が宗谷海峡を通じて、日本海北部とオホーツク海を移動回遊しています。
さらには、宗谷海峡は、日本海の海水の流出口で、海の環境変動を捉えるには都合の良い海域なのです。これらのことから、宗谷海峡とその周辺海域の北部日本海(タタール海)とオホーツク海南西部で、サハリン漁業海洋研究所と中央水試海洋環境部はプロジェクトを組んで、お互いにデータや標本を交換、蓄積し、この海域の海洋環境の観測を行っています。
ブラギナさんは、このプロジェクトが始まった当初から、動物プランクトン生態の専門家として、この海域の動物プランクトンの種組成や分布を研究しています。この度の来日では、さらに研究を深めるために中央水試が採集してきた標本を顕微鏡で観察し、サフニロで採集した標本との比較などを行っています。
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写真1. Neocalanus属
(約5mm)
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写真2. Pseudocalanus属
(約1-2mm)
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中央水試に来て2週間程経過しますが、各種の動物プランクトンについて詳しく観察しています。中でも、宗谷海峡周辺でとても重要な動物プランクトンであるNeocalanus属(ネオカラヌス属、写真1)やPseudocalanus属(シュウドカラヌス属、写真2)という動物プランクトンの精査を行い、成果を着々とあげています。これらの動物プランクトンは、宗谷海峡周辺海域で大変豊富に出現し、魚類の餌生物として、この海域の水産資源を支えているものと考えられます。さらには、最近サハリン沿岸域でも問題化しつつある貝毒プランクトンについても知見を得ていく予定です。今回の来日では、これらプランクトンの分類の知見を得て、帰国後はこの海域における主要なプランクトンの生態と海洋環境との関係などの研究を発展させると思います。
中央水試海洋環境部でも、これを機会にサフニロとさらに協力しながら新しい知見を得て行きたいと考えています。
ブラギナさんは、菜食主義者。来日中は少々ダイエットをしているようです。写真では、顔を撮られることを多少、ためらいましたが、なかなかの美人です(写真3)。
中央水試海洋環境部でも、これを機会にサフニロとさらに協力しながら新しい知見を得て行きたいと考えています。
ブラギナさんは、菜食主義者。来日中は少々ダイエットをしているようです。写真では、顔を撮られることを多少、ためらいましたが、なかなかの美人です(写真3)。
(中央水試海洋環境部 浅見大樹)
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写真3. 中央水試で顕微鏡でプランクトンを観察するブラギナさん
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