ボイルホタテ製品について
ボイルホタテ製品(写真)は冷凍貝柱(玉冷)、乾ほたて貝柱等と並んで、北海道のホタテガイ加工品の主力製品です(図1)。加熱したホタテガイから中腸腺(ウロ)を除いた加工品で、バーベキューや鍋物等の材料として広く親しまれています。ボイルホタテは、冷凍流通が主ですが未凍結のチルド品が出回っており、その割合は20パーセント程度です(道漁連)。チルド品は未凍結のため、購入後すぐに食材として使える、解凍ドリップが出ない等、利便性や高品質を求める現在の消費者ニーズに合致した加工品と考えられます。
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ボイルホタテ製品
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チルド流通の品質保持期限
ボイルホタテ製品の品質保持期限は冷凍流通で18か月(道漁連)とされていますが、チルド流通の場合は基準がありません。そこで、チルド流通の品質保持期限を策定するために、ボイルホタテ製品を製造し、0、5、10度で保管し、経時的に一般生菌数の測定と臭気判定を行いました。ボイルホタテの製造は次のように行いました。紋別産ホタテガイを6倍量の沸騰水で7分間ボイルし(貝柱中心温度70度以上)、むき身を流水中で10分間冷却しました。水切りしたむき身から中腸腺を除去し、洗浄を行いました。洗浄は流水で1分間、次に10倍量の4ppm次亜塩素水で1分間行いました。水切り後、発泡トレーを用い7~8個体毎に含気包装しました。なお、用いたザル、バット類は50ppm次亜塩素水で、発泡トレーはエタノールで予め殺菌したものを用いました。
10度で保管した場合、2日目で一般生菌数は105台、3日目で106台に達しました。また、3日目に初期腐敗臭を感じました。5度では5日目まで3×103以下、6日目で103台、10日目で106台に達しました。初期腐敗臭は10日目に感じました。0度では10日目でも3×103以下で初期腐敗臭は感じられませんでした(表1)
これらのことから、5度以下で流通すれば製造日より5~6日間の品質保持期限を策定することが可能と考えられます。一方、10度流通では製造日から1日しか策定できないため、実際上、流通は不可能と考えられます。現在、チルド流通品は製造後、その日のうちに氷掛けされ発泡箱でスーパーや量販店に輸送されます。店頭には5度前後で2~3日間並べられており(道漁連)、この実状と実験の結果は概ね一致していると考えられます。
10度で保管した場合、2日目で一般生菌数は105台、3日目で106台に達しました。また、3日目に初期腐敗臭を感じました。5度では5日目まで3×103以下、6日目で103台、10日目で106台に達しました。初期腐敗臭は10日目に感じました。0度では10日目でも3×103以下で初期腐敗臭は感じられませんでした(表1)
これらのことから、5度以下で流通すれば製造日より5~6日間の品質保持期限を策定することが可能と考えられます。一方、10度流通では製造日から1日しか策定できないため、実際上、流通は不可能と考えられます。現在、チルド流通品は製造後、その日のうちに氷掛けされ発泡箱でスーパーや量販店に輸送されます。店頭には5度前後で2~3日間並べられており(道漁連)、この実状と実験の結果は概ね一致していると考えられます。
ホタテガイの耐熱性菌

(網走水産試験場 紋別支場 成田 正直)