水産研究本部

試験研究は今 No.493「釧路水試と食加研の合同講習会の開催」(2003年2月25日)

釧路水試と食加研の合同講習会の開催

  2003年2月18日に、くしろ水産センター(マリントポス)において、北海道立釧路水産試験場(釧路水試)と北海道立食品加工研究センター(食加研)による技術講習会(発表会)を『移動食品加工センター&釧路水産試験場加工ミニプラザin釧路』として開催しました。

  釧路水試は、水産資源の管理・増殖について、及び水産物の加工・利用についての試験研究を行っており、特に加工・利用に関しては、道立水産試験場の拠点として重点的に取り組んでいます。

  食加研は、江別市に所在し、食品加工や品質管理等に関する試験研究に取り組む、平成4年に開設された比較的新しい機関です。

  釧路水試は、主として釧路・十勝・根室支庁管内の漁業者や水産加工業者等を対象として、随時、成果報告会や技術指導・講習会を実施しています。食加研は、全道の食品関連企業等を対象として、各支庁単位で講習会・移動技術相談を行う『移動食品加工センター』を開催しています。

  釧路支庁管内は水産加工業者が多く、釧路水試・食加研の技術指導等の対象者の多くが共通することから、平成10年度より、釧路水試の『加工ミニプラザ』と『移動食品加工センター』を共催の形で実施しています。

  道立試験研究機関全体が合同でPR活動をする場としては、例年8月に札幌近郊で実施している『道立試験研究機関おもしろ祭り』がありますが、少数の試験研究機関が連携してPRや講習会等を行うことは意外と少ないのが現状です。

  最近では、複数の道立試験研究機関による共同研究も増えてきており、共同で講習会等を行うべきケースも増えてくることが考えられますので、今後も必要に応じ他機関と連携した取り組みを実施していきたいと思います。
  当日は、近郊の水産加工業者を中心に50数名の参加者がありました。
  今回の技術講習会の内容は次のとおりです。

『健康食品の市場動向とこれからの水産食品』~食加研 加工食品部
近年急激に増加している健康食品の市場動向と、水産物を原料とした健康食品の事例及び今後の展開についてです。

『食品開発への活用が進む常圧加熱水蒸気』~食加研 加工食品部
最近、北海道の食品工業界で注目されている、『常圧加熱水蒸気』(100~450度に加熱した高温水蒸気ガス)についてです。
常圧加熱水蒸気による食品加工は、対象とする食品によっては、加熱時間の短縮化、歩留まりの向上、エキス分の流出減少、表面殺菌効果などいろいろな効果が見込まれます。

『市販いくら製品の分析結果から』~釧路水試 加工部
市販の塩いくら、醤油漬けいくらについて、外観(卵の張り)・風味(香り)・食感(塩味、コク、舌触り)の官能評価と、卵径・破断強度・水分・塩分・脂質含量・一般細菌数の製品分析の関連についてです。

『小型サンマの有効利用』~釧路水試 利用部
体長20センチメートル以下の『小型サンマ』の新しい利用方法についてです。
小型サンマは、大半がフィッシュミール原料であり市場価値が低いことから、『節・煮干し類』を中心とした天然調味料製造技術開発による高付加価値化を目標としています。

  技術講習会の他に、同会場での個別技術相談や、平成14年度に釧路水試が開発に取り組んでいる魚醤油(サケ醤油・スルメイカ醤油)の試作品の配布も行いました。
  これらの内容については、各機関の報告書等でも公表されますが、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

釧路水試 0154-24-7083(加工分庁舎)
食加研  011-387-4111(代表)

(釧路水試 企画総務部 主査(企画情報))
    • 写真1
      釧路水試 加工部 発表者
    • 写真2
      釧路水試 利用部 発表者
    • 写真3
      参加者の皆さん
    • 写真4
      焼きサンマ節