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中央水産試験場

海況速報(2015年2月)

平成26年度 第6号(通算 No.162)
平成27年3月3日

北海道立総合研究機構 水産研究本部

2月中旬~下旬の海況

海域別情報

日本海海域

桧山のやや沖合を北上した対馬暖流(指標:100m層水温6℃以上)は,せたな沖から東進し,沿岸よりの流路をとり流れています。しかし,観測点間の流量収支から,岩内湾に達した対馬暖流の大部分は,後志,桧山の沿岸に沿って南下しています。このため,積丹半島以北を北上する対馬暖流の流量は少なく,例年の3割程度になっています。また,留萌と利尻島の西方には規模の小さな暖水渦(指標:200m層水温4℃以上)がみられますが,この渦は暖流流量の低下にともない生じたと考えられます。

水温は,せたな沖および利尻島のはるか西方で例年よりも1~2℃高くなっていますが,岩内から稚内に至るその他の海域では,各深度ともに平年並みです(水温偏差表参照)。

余市における旬平均水温は,1月は「平年並み」か「やや高い」で推移し,2月上旬に「かなり低い」になりましたが,2月中旬では「平年並み」に戻っています。

道東太平洋海域

道東沿岸では沿岸親潮(*1,指標:水温2℃以下)が流れています。また,その沖合では親潮系水が道東海域を広く覆っていますが,えりも岬東方の北緯42度,東経144度の海域では,暖流の影響を受けた水塊(指標:100m層水温4℃以上)が分布しています。

水温は,暖流の影響を受けた水塊が分布する海域で,例年よりも1~2℃高くなっているのを除くと,各深度ともに例年並みになっています(水温偏差表参照)。

道南太平洋海域

道南沿岸では沿岸親潮が流れており,その先端は恵山岬に達しています。津軽暖流は沿岸モード(*2)です。

水温は沿岸親潮が流れる浦河沖で例年よりも1~2℃低くなっています(水温偏差表参照)。

資料

資料 観測期間 観測海域
稚内水試(北洋丸) 2015年2月11日~2月20日 道西・道北日本海海域
釧路水試(北辰丸) 2015年2月12日~2月21日 道東・道南太平洋海域

*1:オホーツク海の海氷の融氷水を含む親潮として特に沿岸親潮という名前が付けられています。

*2:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

水温平面分布図

表面水温

表面水温  

50m層水温
50m層水温 
100m層水温
100m層水温 
200m層水温
 

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最終更新日:2015年03月03日