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サケ親魚の捕獲はウライ、曳き網、インディアン水車等で行われます(写真左半分はウライと中央の赤い檻がどう)。
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捕獲時には未だ成熟していない個体もいるので、蓄養池まで水槽に入れて運搬します。また、排水口が魚道のような構造のふ化場では、直接蓄養池に入る場合もあります。
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蓄養池に収容したサケ親魚は可能な限り安静な状態に保ち、成熟するのを待ちます。
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蓄養池の中から成熟した雌(お腹の中で卵が筋子状からイクラ状になって排卵したもの)と雄(精子の良く出るもの)を選別して採卵用に用います。
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採卵は「乾導法」で行い、精子をかけるまでは水や血が卵に付着しないように注意します。雌一腹の卵の数はおよそ2,500粒です。これ以降は日光を避けて管理します。
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成熟後、時間が経ち過ぎた雌は排卵された卵が固くなり受精率が極端に下がります(左側が過熟卵、右側が良質卵)。このような過熟卵は採卵の際にはじきます。
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十尾程度の雌から卵を取り出し、まとめて精子をかけます。また、前後して精子と卵とがよく混ざるように水分が付着していない手で掻き混ぜます。
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卵と精子を十分に混ぜた後、湧水等の流水に入れます。水に触れたことで精子が活性化し受精します。受精卵はおよそ1時間で水を吸って固くなります。
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8℃で受精卵を管理した場合、積算水温(一日の平均水温×日数)が240℃になると卵の中に眼が見えるようになります。これを発眼卵といいます。衝撃に弱かった受精卵は、発眼期を過ぎると多少の衝撃に耐えられます。
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過熟卵や発生途中で死んだ卵は、卵膜に傷がつくと白くなり、生きた発眼卵と見た目で区別できます。写真は光の透過率を判断して自動で死卵を分ける自動検卵機です。発眼後は乾燥さえしなければ、空気中に数時間おいても問題ありません。
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ふ化が近くなると養魚池へ発眼卵を散布します。散布後はほとんど光が入らないように管理します。
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受精からの積算水温が480℃になるとふ化が始まります。ふ化した魚は仔魚といい、光を嫌います。
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ほとんどのふ化場では養魚池の床材として直径3~8センチメートル程度の小石を使用しています。仔魚は石の隙間で、お腹の栄養を少しずつ吸収します。
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お腹の栄養が無くなってくると、背面は茶褐色に、側面は銀色に変わってきます。
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受精からの積算水温が960℃になると石の隙間でじっとしていた仔魚が浮いてきて稚魚となります(浮上)。下の個体はお腹の栄養を使い切っていますが、上の個体はまだ少しだけ残っています。
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お腹の中の栄養を使い切ると、今度は外から栄養を摂らないとなりません。稚魚を養魚池から屋外の飼育池へ移し、魚や甲殻類から作った人工の配合餌料を与えて、1グラムを超えるまで成長させます。
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可能な限り稚魚の飼育環境を良好な状態に保つため、残餌や糞が溜まらないように自動池掃除機等で飼育池を常に綺麗にしています。
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1グラムを超えた放流前の稚魚。浮上直後に比べ、体側の銀色度が増し、パーマークと呼ばれる斑紋が薄くなります。このサイズに達すると、海に降りる準備が整います。
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さけます資源部
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