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稚内水産試験場

エゾバフンウニ

エゾバフンウニの分類、生態、漁業に関しての情報をまとめています。

分類

    • 岩場に張り付くエゾバフンウニ
分類:棘皮動物門ウニ形亜門ウニ綱ホンウニ目オオバフンウニ科アカウニ属 エゾバフンウニ
学名: Strongylocentrotus intermedius
 

形態

 殻はまんじゅう形で棘は5~7mmと短い。殻の表面に管足孔は5対で弧状に並ぶ。最も長い棘がのる主疣と長い棘がのる副疣はほぼ同じ大きさである。殻高は殻形の半分よりやや大きい。殻色は灰褐色、黄褐色、暗褐色を呈する。 

    • エゾバフンウニの体内模式図

生態

 太平洋側は福島県以北、日本海側では山形県以北から北海道沿岸、朝鮮半島、中国東北部、サハリン、千島列島の択捉島まで分布する。国内でエゾバフンウニを漁獲対象としているのは岩手県、青森県、および北海道のみである。潮間帯から水深50mまでの岩礁域などに分布する。雌雄異体で、産卵期になると殻の内側にある5つの生殖巣から卵または精子が水中に放出され受精する。受精卵は翌日には孵化し、繊毛で泳ぐのう胚期幼生となった後、プリズム幼生に変態し、エキノプルテウス幼生を経て稚ウニへと変態する。

 

漁業

 北海道沿岸の日本海や津軽海峡沿岸では、船上から「のぞき」で海底を見ながらたもですくったり、やすやかぎを使ってウニを引っかけてとる漁法が一般的である。一方、濁りなどで船上から海底のウニが見えない太平洋からオホーツク海沿岸では、水中に潜って取る潜水器漁業やうに桁網とよばれる漁具を船で引く漁業が行われている。
 

稚内水産試験場では・・・

 エゾバフンウニの稚ウニの発生量を毎年調査しています。かつて北海道道北部に生息するウニ類はほとんどがエゾバフンウニでしたが、最近ではキタムラサキウニも増加してきており、気候変動の影響が示唆されています。また、ウニ類は海底の大型海藻が無くなり、無節サンゴ藻に一面の岩礁が覆われてしまう「磯焼け」の重要な要因であると考えられており、今後も調査を続けていくことが重要です。

参考図書

 漁業生物図鑑 新 北のさかな図鑑 2003 北海道新聞社

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