4-1 キシロオリゴ糖
4-1 キシロオリゴ糖
北海道の森林には写真右のようなササ類が広く分布しており,その資源量は1億5千万トンと推定されています。これは北海道の森林資源の26%に相当しますが,その大部分は未利用のまま林地に放置されています。 これまでに林産試験場では,ササの含有成分のうち,ヘミセルロースの利用に着目し,オリゴ糖として分離・回収する技術(特許第1990589号)を開発してきました。 ササを高温・高圧水蒸気で蒸煮(200℃-10分間)すると,不溶性の多糖類であるヘミセルロースが加水分解され,水に可溶なオリゴ糖としてササ原料に対して10%の割合で得られます(写真下)。得られたオリゴ糖粉末中には糖質が80~90%程度含まれています。これらのオリゴ糖は,キシロースが2~10程度つながったキシロオリゴ糖が主成分となっています(下図)。 キシロオリゴ糖には,腸内のビフィズス菌を適正に増やす整腸作用が知られています。現在,厚生労働省により特定保健用食品のひとつとして認められています。 詳細は,以下の文献に掲載されています。 ササの効用(その1) |
![]() 北海道に一般的に自生するクマイザサ |
![]() ササから得られたオリゴ糖液(左)とその粉末(右) |
![]() キシロオリゴ糖の化学式,n=0~8 |