第46回 暮らし方と省エネルギー
私たちは何ワットで暮らせるか? ~住まいと省エネルギー~
建築研究本部 北方建築総合研究所 立松 宏一
こんなお話をしました
私たちの生活に関わる衣・食・住の中でも、とりわけ「住」の部分では、暖房や給湯、家電などに大量の化石燃料由来のエネルギーを使用しています。これらのエネルギー消費を減らしていくことは、私たちひとりひとりが取り組まなければならない大きな課題です。
- 暖房について
暖房機器による効率の違いもあります。ガスや灯油によるセントラルヒーティングは、近年潜熱回収型の機器(エコジョーズ、エコフィール)が発売され、効率が向上しました。電気暖房を採用する場合には、ヒーター式の蓄熱暖房機や電気パネルヒーターではなく、ヒートポンプ機器を選ぶことが重要です。近年ではエアコン(ヒートポンプの一種)で暖房を行うケースも増えています。
集合住宅では空き家が多くなると暖房の効率が悪くなります。公営住宅では、空き家が増えた住棟を集約することにより暖房費を節減した取り組みも出てきています。
- 給湯について
また、給水温度の違いにより、夏と比べて冬の給湯エネルギーが大きくなります。さらに、空気から採熱するエコキュートは、夏と冬の差がより大きくなるため、翌朝冷え込みが予想される場合にお湯使用量を控えることも効果があります。
- 換気について
- 省エネの実践に向けて
質問にお答えします
№ |
質問 |
回答 |
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1 |
省エネで、LEDの生活と節電は、どのように使われていると思いますか。 |
照明に関してはセミナーで詳しく説明しませんでしたが、LEDは費用対効果が特に大きな省エネ手法だと思います。購入費用と電気代を合計したコストでは、一般的な条件において5か月で白熱電球とLED電球のコストが逆転、約3年で電球形蛍光ランプとLED電球のコストが逆転すると試算されています(電気代22円/kWh、点灯時間2,000時間/年の場合。出典:「おうちで省エネ」(経済産業省北海道経済産業局))。 |
2 |
本州は冬18℃だが、北海道で冬18℃だと寒いのは何故? |
北海道における冬季の居間の日平均温度は21~22℃程度で、多くの方がこのくらいの温度を快適と感じているようです。本州の住宅とは暖房方式の違いがあり、一概に比較することはできません。かつて北海道の住宅の断熱・気密性能が低かった時代には、天井や壁の表面温度が低いことや、足元が寒い影響により、室温を高くしなければ体感として低く感じると言われていました。また、本州では厚着をすることやこたつを用いることによって室温が低く抑えられているという分析もあります。 |
3 |
北海道では、高断熱・高気密住宅の優位性が、本州と比べてかなり高いと思われるが、そこまではやらないのは何故? |
現在のトップランナーの断熱レベルとしては、外壁の断熱厚さで300mm程度の住宅が、技術的にも問題なく建設されています。しかし、新築住宅(戸建)の平均としては、外壁の断熱厚さが120~130mm程度で、国が地域ごとに定めている基準よりもやや断熱性能が良いという程度に留まっています。 |
さらに詳しく知りたい方は・・・
- 動画(道総研公式チャンネル)
- 参考図書 「家庭の省エネエキスパート検定公式テキスト」(一般財団法人省エネルギーセンター)
- 案内ちらし 案内チラシ.pdf