概要
北海道立総合研究機構(道総研)では、循環型社会の早期実現のため道が特に指定した産業廃棄物を対象として研究の実施に必要な基金を造成し、産業廃棄物のリサイクル事業の促進に関する研究を実施しました。
【事業年度】
平成22年度~26年度
【対象事業】
(1)知事が指定する産業廃棄物を主体として活用するリサイクル技術研究開発であって事業化が見込まれるもの
i)最終処分量が多くリサイクル量が少ない産業廃棄物:汚泥、廃プラスチック類
ii)技術的な課題によりリサイクルが進まない産業廃棄物:建設混合廃棄物、水産系廃棄物
(2)上記以外の産業廃棄物に関するリサイクル技術開発であって、事業化が見込めるものであり、かつ、道内における産業廃棄物のリサイクル促進効果が特に高いと知事が認めるもの
【実施形態】
(1)道が作成する事務取扱に基づき実施
(2)道総研内部の複数の研究分野及び大学、企業との連携により実施
実施した課題
(1)ホタテ貝殻・牛糞堆肥の安定製造技術と草地での施用法確立
水産・酪農を主体とする地域で排出されるホタテの貝殻と牛糞をその地域で活用するため、ホタテ貝殻・牛糞を組み合わせた堆肥の養分特性を解明し、寒冷地での堆肥安定製造技術を確立しました。さらに草地での当堆肥の肥効および経済性と導入条件を明らかにしました。
(2)石灰質未利用資源を用いた高性能排煙処理剤の開発
安価で高性能な排煙処理剤を開発するため、製糖工場から排出されるライムケーキの焼成、消化技術の最適化、製造プロセス・コスト試算を検討しました。また、得られた排煙処理剤の物理化学的特性・排煙処理性能に関する評価や廃棄物焼却施設における排ガス処理性能に関する実証化試験を実施しました。
(3)ホタテウロの利用技術開発
工業試験場で開発した電解法によるカドミウム除去技術を発展させ、低コストでカドミウムを除去する技術を開発するとともに、魚類養殖用の摂餌促進物質としての有効利用技術を開発しました。
(4)農業用廃プラスチックの再利用に関する研究
農業用廃プラスチックのうち再利用が困難とされている長いも育成ネットを対象に、サーマルリサイクルに向けた技術開発を実施しました。また、地域内利用を図る上での経済性と導入条件を明らかにし、農業用廃プラスチックの地域内循環利用モデルを提案しました。
(5)建設混合廃棄物のリサイクル推進に関する実態調査
他の産業廃棄物と比較してリサイクルが進まない状況である建設混合廃棄物について実態調査を行い、リサイクルにおける課題を明らかにしました。
その他
〇上記の研究課題等についてご質問・ご要望がある方は、下記の道総研窓口へお問い合わせください。
北海道立総合研究機構研究推進部研究推進グループ
TEL:011-747-2809
E-mail:hq-rps [at] hro.or.jp
〇関連する「循環資源利用促進税」を財源とした補助事業については、下記のホームページを参照ください。
北海道循環資源利用促進税事業(北海道環境生活部環境保全局循環型社会推進課)