研究開発成果4/生産技術の高度化
研究開発成果4/生産技術の高度化
X線CTシステムによる三次元形状評価
3D Form Evaluation by X-ray CT System
ものづくり支援センター | 相山 英明・田中 大之 |
製品技術部 | 万城目 聡 |
■研究の背景
デジタル家電や自動車部品を中心とした製品開発期間の短縮化の強い要求を背景に、 内部構造を有する各種試作品の三次元形状を図面の三次元CADデータと比較照合することが必要とされています。 試作品の外観形状は各種光学的手法によって短時間に高精度で計測する技術が実用化されていますが、 内部構造に関しては必要部位を切断により実測するため多大な労力と時間を要しているのが現状です。 このため、対象物の内部を非破壊で迅速に計測し、三次元形状データを生成する技術開発が緊急に求められています。
そこで、本研究では内部構造を非破壊で観察できるマイクロフォーカスX線CTシステムについて、 その適正な撮影条件を明らかにするとともに、 X線CT画像から得られる三次元形状及び内部空隙率の測定精度を検証しました。
■研究の要点
- X線CT装置の撮影条件及びSN比の検討
- X線CT画像の境界面決定の検討
- X線CTによる測定データと他の測定方法との比較検討

■研究の成果
- X線CT撮影像から得られた形状測定と三次元測定機の測定データとを比較した結果、 ほぼ±0.1mmの精度で測定可能でした。
- X線CTによる内部空隙率測定データとアルキメデス法による測定データとを比較した結果、 アクリル樹脂では数%の精度で、アルミ合金では10%以内の精度で内部空隙率の測定が可能でした。
北海道大学、日本大学、ISS北海道(株)、ホクダイ(株)