研究開発成果15/情報通信・エレクトロニクス・メカトロニクス関連技術
研究開発成果15/情報通信・エレクトロニクス・メカトロニクス関連技術
画像情報処理ソフトウェアの高速化に関する研究
Study on Acceleration of Image Processing Software
情報システム部 | 飯島 俊匡・本間 稔規・髙橋 裕之・橋場 参生 |
■研究の背景
近年、カメラの高性能化による画像の高解像度化や、多変量データを用いた高度な情報解析手法などにより、 以前は困難であった計測システムが実現されてきています。 しかし、多種多数の対象物への対応や計測精度の向上、リアルタイム性の要求など、 計測システムへの要求は益々高度化してきており、 システムで用いる画像情報処理ソフトウェアの高速化が求められています。
そこで、CPU(中央演算処理装置)の内部に複数の演算コアを持つマルチコアCPU構造や、 CPUとグラフィック描画用プロセッサなどを組み合わせて用いるヘテロジニアス(異種混合)構造の計算機を用いて、 画像情報処理を高速化するためのソフトウェア設計手法の確立と、アプリケーションへの実装について取り組みました。
■研究の要点
- 各種画像情報処理における既存の計算手法について分散処理化の検討
- 分散処理を効率的に実装するソフトウェア設計手法の確立
- ヘテロジニアス構造向け画像情報処理アプリケーションの実装と性能評価

■研究の成果
- 画像処理アルゴリズムの局所的な並列計算の一元化と、データ並列性に基づき分割処理するソフトウェア設計により、 アプリケーションの高速化が図れることを確認しました。
- 確立したソフトウェア設計手法に基づいて実装した移動物体検出アプリケーションについて、 実行速度が約2.2倍に向上することを確認しました。
- ヘテロジニアス構造の計算機で動作する光散乱シミュレーションソフトウェアを試作し、 CPU(Core i7 2.67GHz)に比べて、GPU(NVS3100M:CUDAコア16個)の方が計算量が多い場合に 約7倍の実行処理速度が得られることを確認しました。