研究開発成果16/新材料の開発と利用・道内資源の有効利用
研究開発成果16/新材料の開発と利用・道内資源の有効利用
ホタテ貝殻を利用したプラスチック複合材料の開発
Development of Plastic Composite Material using Scallop Shell
材料技術部 | 吉田 昌充・山岸 暢・大市 貴志 |
環境エネルギー部 | 内山 智幸 |
ものづくり支援センター | 金野 克美 |
■研究の背景
北海道では年間約40万トンのホタテガイが生産され、その貝殻が約20万トン排出されおり 土壌改良材や暗渠疎水材などへの利用が行われていますが、未利用な貝殻も多く新たな利用方法が求められています。 ホタテ貝殻は主成分が炭酸カルシウムで、これを粉砕するとアスペクト比(長方形の縦横比)を有する棒状の粉砕物が得られます。
本研究では、ホタテ貝殻粉砕物の形状に着目し、これを充填材としてプラスチックと複合化した材料の開発に取り組みました。
■研究の要点
- ホタテ貝殻粉砕物とプラスチック(ポリプロピレン樹脂)の複合技術の検討
- 上記複合材料に関する成形加工特性の把握
- 上記複合材料の各種特性評価

■研究の成果
- 二軸押出機による複合化を行い、ホタテ貝殻粉を10~50質量%充填した複合材料を製作することができました。
- 上記複合材料について、溶融時の流動特性評価や射出成形加工時の成形特性の把握を行いました。
- 上記複合材料の試作成形片を使って、機械的特性や熱的特性の評価を行い、 ホタテ貝殻を複合化した材料の優位性を確認することができました。
※本研究で使用した粒度分布測定装置は、JKA補助事業により整備されました。
※本研究で使用したフーリエ変換赤外分光光度計、二軸押出機、射出成形機、溶融時樹脂性能測定装置、射出成形用CAEシステムは、JST拠点整備事業により導入されました。