研究開発成果18/環境関連技術
研究開発成果18/環境関連技術
農業用暗渠洗浄排水の肥料再資源化技術の開発
Development of Recycle Technology of Manure Ingredient from Detergent Drain for Agriculture Underdrain
環境エネルギー部 | 髙橋 徹 |
情報システム部 | 多田 達実 |
■研究の背景
高圧水を用いた農業用暗渠排水管の洗浄では、懸濁物質1000ppmの高濃度汚泥が発生し、 それに起因する河川汚濁等が懸念されます。これまで共同研究企業では、ろ過処理により対処してきましたが、 処理能力が低く、実施場所が限定されるなどの課題がありました。 そこで、農業用暗渠洗浄排水を簡易に、効率よく処理するシステムについて検討しました。
また、洗浄汚泥にリン等が含有している場合には、流域の富栄養化が生じるおそれがあります。 暗渠洗浄汚泥の固液分離と同時に、液相からリンを凝集沈殿させ、 農業資材として再資源化できる処理技術についても検討しました。
■研究の要点
- 農業用暗渠洗浄排水の簡易な連続浄化処理方法の検討
- 洗浄排水・汚泥の化学組成と粒度分布の把握
- 肥料有用成分の固定・抽出技術

■研究の成果
- 一次貯水して凝集処理を行った排水を水中ポンプで組み上げ、サイクロン分離器に通すことで連続して簡易な浄化ができることを確認しました。
- 農業用暗渠洗浄汚泥は、シルト質植壌土の土性区分に属し、肥効成分である窒素、リン及びカリウムが少量含有していることを確認しました。
- 洗浄排水中にリンが含まれている場合、リンの固定・回収方法として、凝集剤とリン回収剤を併用することにより100%分離回収できることを確認しました。
- 本システムは、肥料有効成分を再資源化する小規模処理技術として応用が期待できます。
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