モエレ沼

Lake Moere

所在地 (Location) 札幌市 (Sapporo City)
成因 (Origin) 河跡湖 (oxbow lake)
湖面標高 (Elevation) 5 m
湖面積 (Surface area) 0.38 km2
最大水深 (Max. depth) 2.0 m
容積 (Volume) 266 ×103 m3
集水域面積 (Watershed area) 6.68 km2

沼の北側から南方向を撮影。水面にはヒシが繁茂している。沼の内側はモエレ沼公園となっている。中央右には公園内に造成されたモエレ山(高さ52メートル)が見える。(2022年6月9日撮影)

モエレ沼は、札幌市中心部の北東方面の札幌市東区中沼町付近に位置する、湖面標高5 m、最大水深2.0 m、湖面積0.38 km2の三日月型の浅い小さな淡水湖である。石狩川の河跡湖(三日月湖)の一つである [1]

モエレ沼の名称は「モイレ(静かである・流れの遅い)・ペッ(川)・トー(沼)」というアイヌ語に由来し、ゆったりとした水の流れからこう呼ばれるようになったと考えられている [2]

集水域面積は6.68 km2で、約26%を農用地が占め、その他の用地が約23%を占めている。

2022年6月の水質は、TNとTPが富栄養湖レベルから過富栄養湖レベルにあり、CODやクロロフィルa濃度も高かった。

札幌市は、ゴミ処理場建設の必要に迫られ、モエレ沼の内側をゴミ処理場として利用した後、公園造成を行う事業を計画し、1979年からゴミの埋め立てが、そして、1982年から公園基盤造成が始まった。ゴミの埋め立ては、1994年まで行われ、埋め立て開始から埋め立てられたゴミの総量は270万トンといわれている。札幌市は、彫刻家イサム・ノグチにモエレ沼公園の設計を委託し、公園は、2005年に完成し、市民の憩いの場となっている。また、このモエレ沼公園は、2002年度(財)日本産業デザイン振興会主催の「グッドデザイン大賞」を受賞している。

水質データ(表層)
調査日 地点 全水深
[m]
透明度
[m]
pH Cl-
[mg/L]
アルカリ度
[meq/L]
DO
[mg/L]
COD
[mg/L]
TOC
[mg/L]
TN
[mg/L]
TP
[mg/L]
Chl-a
[μg/L]
1979-10-15 St-1 0.3 7.6 12.4 6.8
1985-10-08 St-1 0.1 5.9 21.5 9.7 18
1991-08-08 St-1 1.3 1.0 7.0 16.6 1.40 5.6 30.3 23.8 1.07 0.099 35
2022-06-09 St-1 1.0 0.5 7.6 26.8 1.72 8.4 18.5 0.99 0.081 21
調査地点図
集水域の土地利用
栄養度の推移(表層)
水質鉛直プロファイル

[1] 田中正明,2004.日本湖沼誌II,名古屋大学出版会.

[2] 札幌市東区役所, 2023. 東区まち知るべ, 札幌市東区市民部総務企画課.