オコタンペ湖

Lake Okotanpe

所在地 (Location) 千歳市 (Chitose City)
成因 (Origin) 堰止湖 (dammed lake)
湖面標高 (Elevation) 612.5 m
湖面積 (Surface area) 0.41 km2
最大水深 (Max. depth) 21.1 m
容積 (Volume) 4580 ×103 m3
集水域面積 (Watershed area) 8.62 km2

湖の南側から北方向を撮影。周囲は山林に囲まれている。湖水は特徴的な緑色を呈している。(2023年9月21日撮影)

オコタンペ湖は、千歳市の西部、恵庭岳の西側山麓に位置している。周辺は、エゾマツやトドマツの原生林に囲まれて、濃緑色の水をたたえた高山湖である。

オコタンペ湖は、約3万年前、支笏カルデラ生成後の恵庭岳噴出物によって、オコタンペ川が堰き止められて生成した堰止湖である。

「オコタンペ」の語源は、元来はその川の名であり、原名は、「オ・コタン・ウニ・ペ」で「川尻に・居所が・ある・もの(川)」の意味である。

オコタンペ湖は、湖面標高612.5 m、最大水深21.1 m、湖面積0.41 km2、集水域面積8.62 km2の淡水湖である。

流入河川は、西側に6本の小河川が知られており、流出水は滝となってオコタンペ川に落ち、標高差約360 m下の支笏湖に注ぐ。

集水域の土地利用状況は、すべてが山林などの自然地であり、環境は保全されている。湖は、支笏洞爺国立公園に属し、特別保護地区に指定されている。

オコタンペ湖の水質はpHがやや酸性側に偏っており、アルカリ度が0.023〜0.049 meq/L と低い。湖水には、50 mg/L程度の硫酸イオンが含まれていることから、硫酸を含む酸性水の影響によって、若干酸性を帯びていると考えられる。

TN、TP濃度はTNが中栄養湖の濃度レベルで、TPが貧栄養湖の濃度レベルにあった。長期的な変化傾向は認められない。クロロフィルa濃度は1 μg/L前後と低く、酸性影響とリン制限によって、植物プランクトンの増殖が抑えられていると考えられる。

2023年9月の水質の鉛直プロファイルでは、水深10 m付近に弱い水温躍層があった。水温躍層から下部では溶存酸素が減少し、湖底部ではほぼ無酸素となっていた。電気伝導度が湖底付近でやや上昇していた。

水質データ(表層)
調査日 地点 全水深
[m]
透明度
[m]
pH Cl-
[mg/L]
アルカリ度
[meq/L]
DO
[mg/L]
COD
[mg/L]
TOC
[mg/L]
TN
[mg/L]
TP
[mg/L]
Chl-a
[μg/L]
1986-07-28 St-1 19.0 7.0 6.0 3.0 8.3 0.5 0.27 0.007 0.71
2002-10-24 St-1 21.0 5.6 6.0 2.57 0.049 10 1.5 1.1 0.29 <0.003 0.98
2023-09-26 St-1 20.1 3.5 6.4 2.60 0.023 8.9 1.0 0.24 0.003 1.3
調査地点図
集水域の土地利用
栄養度の推移(表層)
水質鉛直プロファイル