ジュンサイ沼(七飯)

Lake Junsai

所在地 (Location) 七飯町 (Nanae Town)
成因 (Origin) 堰止湖 (dammed lake)
湖面標高 (Elevation) 160 m
湖面積 (Surface area) 0.66 km2
最大水深 (Max. depth) 4.6 m
容積 (Volume) 2000 ×103 m3
集水域面積 (Watershed area) 4.5 km2

沼の東側から西方向を撮影。(2023年10月31日撮影)

ジュンサイ沼は、道南の七飯町の北部、駒ヶ岳南麓の渡島大沼のすぐ西隣に位置する、堰止湖である。

ジュンサイ沼の名称は、1872年、北海道長官黒田清隆が地方視察の際、立ち寄り、ジュンサイが多いのを見て命名したと言われている。

ジュンサイ沼は、湖面標高160 m、最大水深4.6 m、湖面積0.66 km2 で、浅く小さな淡水湖である。

流入河川は特に見られない。流出は、沼の北部からであり、横川そして宿野辺川を通じて渡島大沼につながっている。

集水域の土地利用は、畑地などの農業地が若干あるが、ほとんど山林などの自然地である。

ジュンサイ沼では、1988年度に年8回の頻度で調査をおこなった。その結果、TN濃度は、0.22~0.56 mg/Lであり、TP濃度は1989年の2月を除いて0.019~0.029 mg/Lと季節的に比較的安定した栄養塩濃度傾向を示していた。大きな流入河川が無く、降雨時によっても集水域からの濁水の流入がほとんどないことが理由の一つと考えられる。一方、1989 年の2月の結氷下においても、Chl-a濃度が4.7 µg/Lと冬期にしては比較的高い植物プランクトン現存量が観測されている。

近年では、1997年に調査を実施しているが、そのときのTNやTPの濃度レベルは、1980年代とほとんど変わっていない。また、他の水質的特徴として、アルカリ度が0.2~0.3 meq/L 程度と他の多くの淡水湖に比べて若干低めの傾向があった。

TNおよびTP濃度は、富栄養環境に近い、中栄養湖の濃度レベルであった。

水質データ(表層)
調査日 地点 全水深
[m]
透明度
[m]
pH Cl-
[mg/L]
アルカリ度
[meq/L]
DO
[mg/L]
COD
[mg/L]
TOC
[mg/L]
TN
[mg/L]
TP
[mg/L]
Chl-a
[μg/L]
1979-08-29 St-1 1.5 6.7 7.0 4.6
1982-08-25 St-1 5.5 2.3 7.4 10.7 6.0 3.3 0.43 0.023 9.1
1985-10-15 St-1 2.6 6.9 7.1 8.2 4.7
1988-05-10 St-1 2.6 7.1 9.8 10.2 3.5 0.32 0.020 17
1988-06-07 St-1 1.2 6.9 8.1 11.8 4.4 0.36 0.025 36
1988-07-18 St-1 2.0 7.2 8.1 7.7 4.5 0.44 0.029 21
1988-08-22 St-1 3.0 7.1 9.0 7.1 4.4 0.56 0.024 10
1988-09-26 St-1 1.8 6.4 7.3 7.5 4.4 0.31 0.021 7.2
1988-10-19 St-1 1.5 7.3 7.2 9.7 3.7 0.43 0.021 12
1988-11-07 St-1 1.9 6.7 10.6 4.1 0.22 0.019 9.5
1989-02-20 St-1 6.6 11.8 11.2 3.5 0.38 0.089 4.7
1991-05-20 St-1 4.5 1.7 7.0 10.1 3.3 1.7 11
1992-06-22 St-1 5.0 1.0 7.2 7.5 0.225 9.0 3.7 3.0 0.41 0.024 8.2
1997-07-15 St-1 4.1 2.3 7.2 6.0 0.273 8.6 3.3 2.6 0.28 0.024 8.1
調査地点図
栄養度の推移(表層)