半月湖

Lake Hangetsu

所在地 (Location) 倶知安町 (Kutchan Town)
成因 (Origin) 火山湖 (volcanic lake)
湖面標高 (Elevation) 252.0 m
湖面積 (Surface area) 0.05 km2
最大水深 (Max. depth) 18.2 m
容積 (Volume) 180 ×103 m3
集水域面積 (Watershed area) 0.64 km2

湖の西側から東方向を撮影。(2023年9月12日撮影)

半月湖(ハンゲツコ)、倶知安町南部、羊蹄山(1893 m)の北西山麓に位置している。

この湖は、羊蹄山の火山活動で生じた爆裂火口に丸山と呼ばれる溶岩円頂丘が隆起したことにより形成された火口湖(火山湖)である[1]。かつては、丸山の北側に新月湖という湖があったが、土砂や落ち葉の堆積によって消滅した。

湖は、湖面標高252.0 m、最大水深18.2 m、面積0.05 km2で、小さな淡水湖である。流入・流出河川は特にみられない。

集水域の土地利用状況は、すべて山林である。

湖の周辺には雑木林が密生して原始的な自然景観を示し、春のコブシや山桜、秋の紅葉で知られる。

TNとTPの濃度は、1980年代は貧栄養レベルだったが、2023年9月の調査では富栄養レベルとなっていた。2023年9月はCODが5.9 mg/L、クロロフィルaが19 μg/Lと比較的高めで、水質の鉛直プロファイルでも水温躍層より下部で急速に溶存酸素が低下して無酸素となっていた。富栄養化の進行が疑われるが、その原因は不明である。

半月湖の深い層の水温は四季を通じて4℃以上あり、日本のほかの湖にあまり類を見ない水温構造のゆえに、山中の小湖にもかかわらず古くから訪れる研究者も多い[1]。寒冷な北海道の湖で、底水温が常に4℃以上に保たれる理由として、地下水の湧出や生化学的な作用、受熱期に底泥に貯えられた熱の放熱など、いくつかの仮説が指摘されている[1]

水質データ(表層)
調査日 地点 全水深
[m]
透明度
[m]
pH Cl-
[mg/L]
アルカリ度
[meq/L]
DO
[mg/L]
COD
[mg/L]
TOC
[mg/L]
TN
[mg/L]
TP
[mg/L]
Chl-a
[μg/L]
1983-08-22 St-1 9.0 3.5 7.1 7.7 4.4 0.14 0.007 8.7
2023-09-12 St-1 16.0 2.0 8.8 7.12 0.564 9.3 5.9 0.45 0.020 19
調査地点図
集水域の土地利用
栄養度の推移(表層)
水質鉛直プロファイル

[1] 中尾欣四郎, 1987. 明澄な山姿を映す水 羊蹄山の半月湖. 日本の湖沼と渓谷2 北海道Ⅱ 支笏・洞爺湖と層雲峡, 今西錦司・井上靖[監修]:138–141. ぎょうせい, 東京.

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