袋地沼

Lake Fukuroji

所在地 (Location) 砂川市・新十津川町 (Sunagawa City / Shintotsukawa Town)
成因 (Origin) 河跡湖 (oxbow lake)
湖面標高 (Elevation) 22 m
湖面積 (Surface area) 0.40 km2
最大水深 (Max. depth) 1.3 m
容積 (Volume) 400 ×103 m3
集水域面積 (Watershed area) 8.31 km2

沼の東側から西方向を撮影。周囲は水田に囲まれている。(2022年9月22日撮影)

袋地沼(フクロジヌマ)は、新十津川町と砂川市の境界にあり、石狩川の西側に位置する。

袋地沼は、湖面標高22 m、最大水深1.3 m、面積0.4 km2の浅い小さな淡水湖で、旧石狩川の蛇行跡に残った河跡湖である。流入河川は、北西の小河川があり、流出水は東方の小河川を経て石狩川に注ぐ。集水域は水田とその他の農用地が約78%を占めている。

この地域一帯はアイヌ民族が居住していたことからアイヌ地と呼ばれ、このアイヌ地から砂川領袋地にかけて石狩川が大きく湾曲し、この地帯は出水のたびに大きな被害を受けた。1898年(明治31年)と1899年(明治32年)の出水で、湾曲部分は自然に短絡され、1901年(明治34年)には全く遮断された。

先人は、この地を「ネトピタラ (nat-pitar)」ネト (net) 漂木・ピタラ (pitar) 河原と呼んだ。袋地の南側の河原につけられていた地名で、漂木のある河原という意であり、春先の増水期や水害があると、この曲ったところに流木が流れ着き漂木が特に目立ったのであろう。名称は、この地域名が袋地だったことから「袋地沼」とされており、毎年、春になるとハクチョウが舞い降りることから、別名「はくちょう公園」として町民に親しまれている。

袋地沼は渡り鳥の中継地となっており、オオハクチョウやコハクチョウなどが飛来する。また、ヘラブナ釣りの名所としても知られている。

2022年9月の水質調査では、TN、TPとも富栄養湖レベルだったが、1980年代と比べると濃度は低下していた。一方でChl-a濃度は18 μg/Lと高かった。

水深が浅いため、水質鉛直プロファイルは水深40 cmまでしか測定できなかったが、底部に向かって水温の低下と電気伝導度の上昇が認められた。

水質データ(表層)
調査日 地点 全水深
[m]
透明度
[m]
pH Cl-
[mg/L]
アルカリ度
[meq/L]
DO
[mg/L]
COD
[mg/L]
TOC
[mg/L]
TN
[mg/L]
TP
[mg/L]
Chl-a
[μg/L]
1986-05-26 St-1 1.3 0.3 6.9 10.3 8.6 1.80 0.439 3.2
2022-09-28 St-1 0.7 0.5 7.7 23.2 0.760 10.5 6.8 0.93 0.068 18
調査地点図
集水域の土地利用
栄養度の推移(表層)
水質鉛直プロファイル