ポロ沼

Lake Poronuma

所在地 (Location) 猿払村 (Sarufutsu Village)
成因 (Origin) 海跡湖 (lagoon lake)
湖面標高 (Elevation) 0 m
湖面積 (Surface area) 1.97 km2
最大水深 (Max. depth) 2.3 m
容積 (Volume) 2925 ×103 m3
集水域面積 (Watershed area) 102.48 km2

沼の北西から南東方向を撮影。沼の周囲は湿地帯で囲まれている。写真奥側に流出口があり、猿払川に合流してオホーツク海に流出する。(2023年6月21日撮影)

ポロ沼は、猿払村のオホーツク海沿岸、猿払川の河口付近に位置する海跡湖である。アイヌ語の「ポロト」に由来し、大きい・沼の意とされている [1]

ポロ沼は湖面標高0 m、湖面積1.97 km2の汽水湖である。国土地理院の湖沼調査(1987年測量)によれば最大水深は沼東側の猿払川との接続水路付近の2.3 mである [2]。水深が1 m以上あるのはこの接続水路付近のみであり、沼の大部分は水深0.5 m未満と浅い。湖心部は水深0.6 mである [2]

ポロ沼は猿払川左岸側の三角州性低地 [3] に水面を有する。沼の端から猿払川を経由して海岸線まで600 m程度しかなく、潮汐によって海水が沼を出入りする。主な流入河川として西方にポロ川とキモマ沼川がある。キモマ沼川はポロ沼と同じ海跡湖のキモマ沼を経由してポロ沼に流入する。ポロ沼南方の狩別川は、地形図上 [4] ではポロ沼の水面に直接流入せず、沼南側の湿原を通り、沼と猿払川との接続水路に流入する。これらの河川のうち狩別川の流域面積が最も大きく、本流は直線距離にして約20 km離れた宗谷丘陵に端を発する。

狩別川流域も含めてポロ沼の集水域の土地利用を集計すると、森林が全体の約76%を占め、次いで農用地が約15%、荒地が約7%であり、隣接する猿骨沼集水域の土地利用比と類似していた。狩別川の上流域のほとんどは森林である。狩別川中流の川沿いの低地やポロ沼の北側から西側にかけての台地を中心に農地が分布しており、大部分は牧草地となっている [5]。沼の周囲の荒地はヨシやハンノキなどの湿原、沼沢林である [5]

2023年の調査は、比較的大潮に近い6月21日の潮位50 cm程度(枝幸)の時間帯に実施した [6]。この時、採水地点(St-1)の水深は0.5 mであった。塩化物イオン濃度は約16,000 mg/L(塩分換算で約30‰ [7])であり、海水(オホーツク海沿岸の夏季表層海水の塩分約33‰ [8])の影響を強く受けている状況にあった。過去の測定値を含めるとCOD濃度は3~22 mg/Lと大きくばらつき、塩化物イオン濃度と負の相関関係にあることから、沼のCOD濃度は海水による希釈の影響で大きく変動するものと考えられる。海水の影響が比較的弱かった2000年のCODは22 mg/Lと高く、褐色を呈していたことから、腐植物質の影響が考えられた。

2023年のTNとTP濃度はそれぞれ0.21と0.018 mg/Lで中栄養レベルにあった。海水の影響が比較的弱かった2000年にはそれぞれ1.90と0.210 mg/Lと過栄養レベルを示しており、CODと同様に栄養度も海水の影響で大きく変動しており、海水の影響が強い時には希釈作用によりTN、TP濃度が低下するものと考えられる。Chl-a濃度は1.4 μg/Lであり、過去の測定値の範囲内であった。

水質データ(表層)
調査日 地点 全水深
[m]
透明度
[m]
pH Cl-
[mg/L]
アルカリ度
[meq/L]
DO
[mg/L]
COD
[mg/L]
TOC
[mg/L]
TN
[mg/L]
TP
[mg/L]
Chl-a
[μg/L]
1979-08-02 St-1 0.5 >0.5 8.7 8.0 5.4
1982-06-09 St-1 0.5 >0.5 7.9 8.2 5.8 1.20 0.013 8.6
1985-08-20 St-1 0.4 >0.4 9.6 11700 13.6 9.1
1991-05-30 St-1 0.3 >0.3 7.9 17000 1.91 8.9 2.5 2.1 0.36 0.013 1.1
1996-10-01 St-1 0.8 >0.8 8.1 12700 1.55 7.8 6.8 3.7 0.35 0.035 0.63
2000-07-26 St-1 0.7 >0.7 7.3 4160 0.778 7.3 22.0 18.0 1.90 0.210 5.6
2023-06-21 St-1 0.5 >0.5 8.4 16400 1.93 8.9 3.5 0.21 0.018 1.4
調査地点図
集水域の土地利用
栄養度の推移(表層)
水質鉛直プロファイル

[1] 北海道環境生活部アイヌ政策推進局アイヌ政策課,2021.アイヌ語地名リスト.URL: https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/ass/new_timeilist.html(2024年10月11日時点)

[2] 国土地理院,2019.湖沼データ(ポロ沼).URL: https://www.gsi.go.jp/kankyochiri/koshouchousa-list.html(2024年10月11日時点)

[3] 国土交通省.国土数値情報(20万分の1土地分類基本調査「地形分類図」).URL: https://nlftp.mlit.go.jp/kokjo/inspect/landclassification/land/l_national_map_20-1.html(2024年10月8日取得)

[4] 国土地理院,2013.地理院タイル(標準地図).URL: https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html(2024年10月11日時点)

[5] 環境省生物多様性センター.自然環境調査Web-GIS(第6-7回自然環境保全基礎調査,1/25,000植生図).URL: http://gis.biodic.go.jp/webgis/(2024年10月11日時点)

[6] 気象庁,潮位表(枝幸).URL: https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/db/tide/suisan/index.php(2024年10月11日時点)

[7] 環境省,2014.日本の汽水湖.URL: https://www.env.go.jp/water/kosyou/brackish_lake/index.html(2024年10月10日時点)

[8] 国土交通省国土地理院,1990.新版日本国勢地図 7 自然(海底地形・海底地質・海流・海水温度・塩分濃度(冬期)(夏期)),ナショナルアトラス閲覧サービスURL:https://www.gsi.go.jp/atlas/archive/j-atlas-d_2j_07.pdf(2024 年10月11日時点)