藻琴湖

Lake Mokoto

所在地 (Location) 網走市 (Abashiri City)
成因 (Origin) 海跡湖 (lagoon lake)
湖面標高 (Elevation) 0 m
湖面積 (Surface area) 0.98 km2
最大水深 (Max. depth) 5.4 m
容積 (Volume) 1930 ×103 m3
集水域面積 (Watershed area) 184.24 km2

湖の北東から南西方向を撮影。写真左から手前方向に流出した水は撮影中のUAVの真下で大きく蛇行し、写真右端からオホーツク海に流出する。(2023年7月5日撮影)

藻琴湖(モコトコ)は、網走市東部のオホーツク海岸にある海跡湖で濤沸湖の西北西約2 kmのところに位置している。オホーツク海とは、蛇行する約1 kmの水路で結ばれており、潮位によって海水が進入してくる。

「藻琴湖」の語源は不明であるが、幾つかの説がある。小沼の意で「モ(小)、トー(沼)」、あるいは「ムク・トー(尻のふさがっている沼)」、またあるいは、「モコㇽ・ト mokor-to(眠っている・沼)」などの説があるが、不明であると言われている。

藻琴湖は、濤沸湖と同様に、カキやアサリなどの水産業が営まれている重要な湖沼である。

藻琴湖は、湖面標高0 m、最大水深5.4 m、湖面積0.98 km2、集水域面積184.24 km2の汽水湖である。主な流入河川は、南方からの藻琴川である。

集水域の土地利用は、森林が約49%を占めるほか、酪農や畑作などの農用地が約45%で広く存在している。

藻琴湖の水質については1986年度および1987年度に、年間8回の詳細な調査が行われた。塩分環境は、そのときの流入水量と海水の逆流量などのバランスから、様々な環境が出現している。結氷期の2月においては、表層の塩分濃度は淡水のレベルになるが、これは網走湖でも観測されているように、河川水が氷面直下を流れるためである。

2023年7月のTNおよびTP濃度はTNが過栄養湖レベル、TPが富栄養湖レベルだった。1980〜1990年代に比べてTNに増加傾向が認められる。

2023年7月の水質鉛直プロファイルは表層付近で塩分が低下していた。これは流入河川水の影響だと考えられる。また、2.5 m以深で溶存酸素濃度の低下傾向が認められた。

水質データ(表層)
調査日 地点 全水深
[m]
透明度
[m]
pH Cl-
[mg/L]
アルカリ度
[meq/L]
DO
[mg/L]
COD
[mg/L]
TOC
[mg/L]
TN
[mg/L]
TP
[mg/L]
Chl-a
[μg/L]
1979-07-10 St-2 2.2 8.2 9.8 6.2 6.8
1982-09-01 St-2 1.7 >1.7 7.7 8320 7.7 5.3 0.28 0.039 6.1
1985-09-25 St-2 1.9 8.5 12300 10.8 5.1
1986-05-13 St-2 3.0 2.0 8.2 2630 11.3 5.4 0.61 0.041 6.6
1986-06-11 St-2 1.8 8.2 3600 9.9 4.9 0.93 0.055 5.5
1986-07-01 St-2 2.5 1.8 7.6 1750 10.6 0.79 0.049 1.5
1986-08-20 St-2 0.3 8.0 3350 8.1 9.2 1.10 0.179 3.0
1986-09-25 St-2 1.8 8.5 9200 10.4 5.9 0.39 0.039 8.1
1986-10-06 St-2 2.2 8.5 12500 10.5 2.7 0.27 0.038 8.1
1986-11-06 St-2 2.3 8.3 11800 10.0 3.7 0.31 0.024 12
1987-02-17 St-2 7.1 86 11.2 3.3 1.05 0.050 0.20
1987-05-11 St-2 3.0 1.8 8.3 4980 9.7 6.9 0.54 0.047 2.5
1987-06-08 St-2 2.0 1.1 8.6 4730 10.4 5.6 0.38 0.044 21
1987-07-22 St-2 2.4 1.1 8.6 9990 12.9 7.0 0.57 0.042 15
1987-08-19 St-2 2.0 8.4 7450 9.8 5.1 0.64 0.045 24
1987-09-28 St-2 2.0 8.2 9540 11.8 4.8 0.38 0.050 5.8
1987-10-27 St-2 3.5 2.0 8.4 14600 11.9 3.1 0.67 0.094 54
1987-11-16 St-2 1.3 8.7 7980 13.4 5.7 1.00 0.038 43
1988-02-01 St-2 6.2 207 11.2 1.10 0.033 0.30
1990-07-01 St-2 5.0 1.4 8.6 8410 7.7 6.4 3.6 0.56 0.043 43
1995-06-13 St-2 4.5 1.1 8.4 6010 1.30 11.0 5.3 2.5 0.30 0.044 11
2023-07-05 最深部 4.8 2.5 7.6 4520 1.08 7.4 6.5 2.60 0.075 1.8
調査地点図
集水域の土地利用
栄養度の推移(表層)
水質鉛直プロファイル