シブノツナイ湖

Lake Shibunotsunai

所在地 (Location) 紋別市・湧別町 (Monbetsu City / Yubetsu Town)
成因 (Origin) 海跡湖 (lagoon lake)
湖面標高 (Elevation) 3.0 m
湖面積 (Surface area) 2.76 km2
最大水深 (Max. depth) 3.0 m
容積 (Volume) 2760 ×103 m3
集水域面積 (Watershed area) 81.88 km2

湖の北西側から南東方向を撮影。砂州は原生花園となっている。写真右側からシブノツナイ川などが流入し、流出水は写真左奥から1967年に作られた水路でオホーツク海に流出する。(2023年9月4日撮影)

シブノツナイ湖は、湧別町と紋別市の境界、オホーツク海に面している。この湖は、三方が湿原で、北東側は、オホーツク海で通じている海跡湖である。

「シブノツナイ湖」の語源は、 「シュプン・オツ・ナイ(ウグイ魚・居る・川)」と言われている。

シブノツナイ湖はかつて、シジミが移植放流され、1980年まで、わずかであったが漁獲されていた。

シブノツナイ湖では、厳冬期に、ワカサギ釣りなどに多くの人が訪れる。

また、北側段丘上には、「シブノツナイ竪穴式住居跡」の遺跡があり、湖岸一帯は、原生花園となっている。

シブノツナイ湖は、湖面標高3 m、最大水深3.0 m、湖面積2.76 km2、集水域面積81.88 km2の浅い汽水湖である。

流入河川は、南方から、シブノツナイ川、中の沢、東の沢などである。オホーツク海とは、長さ2 kmの狭長な砂州によって境され、流出水は湖の北東側から水路を経て、海に通じる。

集水域の土地利用は、森林が約62%を占めるほか、酪農などの農用地も約29%占めている。

湖水は茶褐色を呈し、COD濃度も高く、腐植物質の影響を受けていると思われる。調査の頻度が少ないものの、1990年代以降は植物プランクトンの増殖が活発で、透明度が悪い傾向が認められ、富栄養化が進行した可能性が示唆される。2022年7月の調査では、TNが富栄養湖レベル、TPが過富栄養湖レベルだった。

水質データ(表層)
調査日 地点 全水深
[m]
透明度
[m]
pH Cl-
[mg/L]
アルカリ度
[meq/L]
DO
[mg/L]
COD
[mg/L]
TOC
[mg/L]
TN
[mg/L]
TP
[mg/L]
Chl-a
[μg/L]
1979-08-08 St-2 1.5 >1.5 7.8 7.4 1.1
1985-09-09 St-2 1.0 >1.0 9.4 1540 10.2 3.6
1991-06-11 St-2 0.3 7.6 4650 1.17 8.9 12.4 5.7 1.01 0.062 35
2002-09-10 St-2 0.6 8.3 652 0.174 11.0 14.0 8.8 0.92 0.097 21
2022-07-07 St-2 1.0 0.6 9.3 781 0.392 11.3 10.6 0.88 0.107 36
調査地点図
集水域の土地利用
栄養度の推移(表層)
水質鉛直プロファイル