農業研究本部

酒造好適米「吟風」「彗星」における移植時期の調整による品質改善

佐々木亮,後藤英次

道総研農試集報.104,51-58 (2020)

 北海道産の酒造好適米「吟風」「彗星」の千粒重の増加には,移植時期の調整が有効である。千粒重は品種間差を示すとともに,出穂前後の平均気温(θB)と強い正の相関を示した。北海道において,出穂前後の平均気温は気象の変動によって大きく影響を受けるものの,出穂期が遅いほど,より高い値を得ることが期待できる。このため,酒造好適米に適する出穂期は慣行栽培よりも遅く,かつ登熟に支障がでない範囲に調整することが望ましい。また,移植日の調整による出穂前後の平均気温の確保はタンパク質含有率の低減にも効果が認められた。


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