農業研究本部

ダイズ新品種「タマフクラ」の育成

鴻坂扶美子,田中義則,白井和栄,村田吉平,三好智明,高宮泰宏,萩原誠司,足立大山

道総研農試集報.105,59-70 (2021)

 「タマフクラ」は北海道立中央農業試験場において、北海道道南地方向けの白目極大粒品種として育成された。本品種は,晩生の良質極大粒品種の育成を目的として、1993 年に極大粒の良質黒大豆「新丹波黒」(京都府育成)を母,白目極大粒品種「ツルムスメ」(中央農試育成)を父として人工交配を行い,粒大による選抜と各種試験を重ね,2007 年に北海道の優良品種に認定されたものである。「タマフクラ」は百粒重が60g 以上ある白目極大粒黄大豆品種であり,これまでの道産大豆にはない大きさのため,ふるい目9.7 ㎜以上の収量が多く,国内外の黄大豆品種との差別化が容易である。そのため,極大粒大豆を使用する実需者からは,さらに大きな粒大の特徴を生かした納豆,煮豆,煎豆および甘納豆の原料として評価が高く,新たなブランドとしての期待が大きい。


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