農業研究本部

北海道北部の積雪地域における無加温パイプハウスを利用したコマツナの厳冬期生産

地子立,高濱雅幹

道総研農試集報.105,81-88 (2021)

 空気膜二重構造のフィルムと内張りカーテンおよびトンネルを被覆したパイプハウス内では無加温条件でも厳冬期において極めて高い保温効果が得られ, 夜間の最低外気温が- 2 6 . 8 ℃ まで低下した際のトンネル内最低気温は- 3 . 3 ℃ であった。また, 単回帰分析によりハウス内の最低気温は夜間の最低外気温を用いて予測できると考えられた。コマツナを多重被覆パイプハウス内へ9 月下旬から1 0 月上旬に播種すると, 1 2 月下旬から1 月下旬にかけて収穫可能となり, 2 . 6 t / 1 0 a 以上の収量を得ることができた。以上の結果から,多重被覆を施したパイプハウスを利用することにより北海道北部の 積雪地域においてコマツナの厳冬期無加温生産が可能であることが明らかとなった。


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