農業研究本部

近赤外分光法による赤インゲンマメ煮熟粒色の非破壊評価

富沢ゆい子,齋藤優介

道総研農試集報.105,97-105 (2021)

 赤インゲンマメの育種選抜では煮熟粒色の評価が重要であるが,煮熟粒色を測定するには試料を浸漬処理もしくは煮熟する必要があり,測定により試料は損失する。そのため,品質項目の測定は中後期世代から実施しているが,育種効率の向上のためには初中期世代からの育種選抜が重要である。そこで,試料を損失せずに煮熟粒色を評価する手法として,近赤外分光法の活用を検討した。赤インゲンマメの煮熟後粒色は近赤外分光法により少量の試料かつ非破壊で推定可能で,推定精度はL*値(明度)では高く,a*値(赤味度)は中程度であった。本手法を用いることで赤インゲンマメの選抜効率は向上するが,推定精度や作業量等を総合的に判断すると,現在の育種選抜における活用は難しかった。


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