放牧牛の排泄尿が放牧草地の化学性に及ぼす影響

関口　久雄、奥村　純一、豊田　広三

北海道立農試集報．20，52-60 (1970)

　放牧草地における牛排泄尿は局部的に多量の窒素、加里を還元し、土壌および牧草に影響を与える。この場合、窒素は収量に寄与するが、持続期間は量の割合には比較的短かった。 　一方、加里は土壌中で水溶性～置換性として存在し、牧草にきわめて吸収されやすいが、長期間にわたって残存した。したがって、排泄尿によって還元された加里は積極的に生産性に寄与することがないまでも、放牧草地の地力維持という面で、その意義を認めてよいものと考えられる。

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