農業研究本部

とうもろこしの発芽に関する耐冷性とその検定法に関する研究
1.現行法の問題点について

櫛引 英男

北海道立農試集報.24,33-42 (1971)

 とうもろこしの低温と発芽に関する研究は、検定法としてロールド・タオル法またはそれに準じた方法に基づいている。この方法によりもたらされる結果は、土壌菌抵 抗性が主体になり、種子自体の低温発芽性の意義が小さいと思われるので、現行法に 考えられる問題点について実験的な検討を加えてみた。  その結果現行法による発芽の耐冷性はいわゆる低温反応の小さいことが認められ、 まれ殺菌剤の種子粉衣による種子を現行法に準じて検定すると発芽に系統間差がほと んどなかったことなど、とうもろこしの実さいの発芽からみて、現行法にいくつかの 問題点のあることが明らかとなった。これらのことから、種子発芽のみの低温反応、 すなわち低温発芽性を検討していく必要がある。  また、ここではこの種子自体の低温発芽性についても若干検討し系統間差異をえた が、現行法による系統間差異と異なることをみた。


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