農業研究本部

根圏土壌の理化学性が牧草生育に及ぼす影響
第1報 土壌ち密度と牧草生育との関係

大崎 亥佐雄、奥村 純一

北海道立農試集報.27,77-88 (1973)

 重粘性土壌は物理性の劣悪条件から低位生産土壌とされ、この改良対策として土地 改良事業が広く実施されているが、牧草は普通作物と異なり、物理性に対する特異性を示す。  そこでとくに土壌ち密度との関連で2、3検討した結果、牧草は初期生育では普通 作物同様の傾向を示し、極端な土壌ち密度はイネ科牧草において、窒素欠乏現象を惹起させ、収量をも低下させた。この主な原因は固相率の増加で空気孔隙量の減少に伴 った酸素不足に起因したものと推察された。しかし経年化に伴って土壌ち密度の影響 は緩和される傾向にある。また播種当年の幼牧草に対する限界ち密度を検討したとこ ろ、pF2.0のとき10%以上の空気孔隙量を保持しうることが必要であった。


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