農業研究本部

水稲品種の栄養生理的特性に関する研究
第2報 品種の生理生態特性と追肥窒素の反応性

古山 芳広、南 松雄

北海道立農試集報.29,148-160 (1974)

 本道における水稲の主要な2品種「そらち」と「しおかり」の追肥窒素に対する生理生態的応答性について比較検討した。  「そらち」は「しおかり」よりも追肥窒素に対する増収率が高く、しかも、その増 収率は高温年よりもむしろ低温年の方が高い。また、基準窒素量をN0.8kg/aとした 場合、両品種とも低温年においては分施方式(N0.6kg+0.4kg)がまさる傾向が認めら れ、高温年においては追肥方式(N0.8kg+0.2kg)がまさった。  追肥時期については、幼形期追肥は籾数増加に、止葉期追肥は葉身の窒素濃度を高 め、かつ登熟期における葉の老化を抑制し登熟性の向上面に寄与する。また、玄米収 量の上限に対応する出穂期の葉身の窒素濃度は「そらち」の2.8~3.0%に対し「しお かり」は3.2~3.4%と高い。


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