農業研究本部

サトウダイコンそう根病の発病に影響するの2・3要因

阿部 秀夫

北海道立農試集報.30,95-102 (1974)

 サトウダイコンのそう根病発病個体から採取した病根を接種源とし、Polymyxa bet aeの寄生と発病の関係を検討した。  その結果、病根接種量とP.betaeの寄生時期および寄生量とは比例し、乾土当り風 乾病根0.1%以上の接種では、サトウダイコンの播種12日後に本菌の変形体を、22 日後に休眠胞子を認めた。  しかし、0.001%(休眠胞子178個/乾土1ml)の接種では、寄生時期が前者より10 日遅れ、寄生量も少なく本病の発病限界菌量であった。土壌pH7.0以上では多量の寄 生を認めたが、pH6.0以下では寄生を認めないか、または少量の寄生であった。 休眠胞子の発芽はpH7.0近くで多量に認められたが、pH5.5以下(病根混和土壌)ま たはpH5.1以下(病根混和土壌+サトウダイコン)では認められなかった。  休眠胞子は塩酸10-3N(pH3.5)に24時間浸漬しても死滅しなかった。本菌の変形 体は23℃では播種後13日に認めたが、10℃では36日後であった。  本病の発病は、サトウダイコンの稚苗期感染が後期感染に比較して高く、とくに本 葉2~3葉期以前に感染すれば被害が大きい。


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