晩秋から早春にかけての牧草の生育特性と肥培管理
2.秋期の施肥時期が翌春収量に及ぼす影響
坂本 宣崇、奥村 純一
北海道立農試集報.30,65-74 (1974)
オーチャードグラス草地において、秋期の施肥時期が翌春収量に及ぼす影響につい て刈取り時期と組合わせて検討した。 その結果、秋期の施肥時期は、前期;9月中旬~10月上旬、中期;10月中旬~ 11月上旬、後期;10月下旬~11月下旬の3期に分けられる。すなわち、前期に おいては施肥されると越冬部位の増大充実を招来し、いわゆる越冬性萌芽性の向上を 経て翌春収量を高めた。 中期の施肥は、株や根などの養分貯蔵部位における窒素濃度を高め、これと逆に貯 蔵炭水化物として定量したtotal available carbohydrate(TAC)濃度を低めたが、こ の意義を解明するに至らなかった。なお、刈取りと重なった場合は再生による貯蔵養 分の減耗を助長し、翌春収量を顕著に低めた。 後期の施肥は気温が下降し牧草生育が著しく低下した時期に遭遇し、施肥の効果は 翌春への土壌中の残存量に主として支配されていた。
→ 全文(PDF)