農業研究本部

北海道のハウス栽培トマト、キュウリで発見されたサツマイモネコブセンチュウ

山田 英一、高倉 重義

北海道立農試集報.31,43-49 (1975)

 北海道胆振支庁管内、虻田町字入江の一農家のハウス栽培トマトおよびキュウリの 根から1973年11月12日に採集されたネコブセンチュウの測定値と形態の特徴から、本 種をサツマイモネコブセンチュウMeloidogyne incognita(Kofoid&White、1919) Chitwood、1949と同定した。1年生作物では、北海道での初発見である。  被害トマトの根には、じゅず状に連続した根瘤を生じ、程度の甚だしいものでは異 常に肥大し、ダーリアの塊根状を呈した。  接種試験により、トウガラシ、ピーマン、スイカ、キュウリ、ライムギ、トウモロ コシ、サツマイモおよびトマト「ひかり」、「宝寿」は本種の寄主と認められたが、 ナンキンマメおよびL.peruvianumに由来するトマト「強力五光」は寄主とは認めら れない。寄主での根瘤はじゅず状に連続するものが多かった。


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