農業研究本部

豆類脱穀機の脱穀特性

山島 由光

北海道立農試集報.32,69-76 (1975)

 本試験では畑作地帯の重要な作目である豆類を対象として、作付規模および収穫条 件にみあった収穫機を開発することをねらいとして、実験機を試作し、とくに子実損 傷を生ぜしめる要因の摘出、また脱粒、分離性能さらに損失の有無などについて検討 を行なった。  その結果まず子実損傷を発生させる要因としては、子実含水率とシリンダ回転速度 の影響が極めて大きく、反面、シリンダツース形状、原料の供給量は比較的小さいこ とを明らかにした。次にシリンダの脱粒率についてはツース形状の影響が大きいが、 莢含水率、シリンダ回転速度との関係は明確さを欠いた。さらにストロウオカの分離 性能ではツース形状が異なっても、ほとんど影響がなく同様の傾向を示した。また、 末脱穀莢とささり粒など、通常損失とみなされるものの発生についてはソース形状、 シリンダ回転速度と強い関係が当然認められ、とくに末脱穀莢の発生はワイヤーツー スで多いことを知った。しかしささり粒は莢含水率が異なっても少ないことを認めた が、ストロウオカのユニットの形状、作動方法との関係については末検討である。


全文(PDF)