小麦新品種「ホロシリコムギ」の育成について

尾関　幸男、佐々木　宏、天野　洋一、土屋　俊雄

北海道立農試集報．33，11-20 (1975)

　「ホロシリコムギ」は1962年、北海道立農業試験場北見支場(現北見農業試験場) 小麦育種指定試験地で、「北系８」×「北海２４０号」の交配を行ない、以後同場で系 統育種法によって育成された秋播小麦である。 　1967年「北系３４５」の系統番号で系統適応性検定試験・特性検定試験に編入、 1969年「北見２３号」の配付系統名を付し、奨励品種決定調査により全道各地の適否 を検定した。1974年３月の北海道種苗審議会をへて、同年１２月農林省に新品種とし て登録(小麦農林１１４号)、日高山系の高峰ホロシリ岳にちなんで命名、北海道の奨 励品種として採用された。 　対象品種「ムカコムギ」に比べると、成熟期で２日早く、ｌ０㎝短稈、稈質強剛で 耐倒伏性はきわめて強く、多収で多肥密植向き、ドリル、散播に適する。外見品質お おむね良好、粉のたん白はやや高いがふ質は中力的、アミログロムの最高粘度が顕著 に高い。 　道南の極早生地帯を除く主要麦作地帯の基幹品種として推奨される。

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